~日経メディカル2021.1.7~
名前に「黄」の付く生薬には注意せよ。具体的には黄芩、麻黄、地黄、大黄などです。他には、甘草、附子、山梔子にも気を付けなければいけません。黄芩は肝障害を引き起こす生薬として有名です。黄芩を含む漢方製剤は小柴胡湯の他に、使用頻度が高いものとして大柴胡湯や黄連解毒湯、防風通聖散が挙げられます。麻黄はかぜ症状に用いる漢方製剤に含まれることが多い生薬です。葛根湯や麻黄湯がその代表例です。大黄は緩下作用を有する生薬ですが、効き過ぎると下痢を来します。甘草は約7割の漢方製剤に含まれ、甘草が偽アルドステロン症の原因となることはよく知られています。附子は、推理小説にもよく登場するトリカブトの塊根を加熱処理して乾燥した生薬で、冷えが目立たない暑がりの人など、舌のしびれや不整脈といったトリカブト中毒症状が生じることもあります。山梔子は腸間膜静脈硬化症の原因となり、腹痛や下痢といった症状を来します。
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